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新潟記念は“キンカメ記念”だ! 大型馬優勢のデータにも合致する伏兵とは?

2025 8/27 17:00逆瀬川龍之介
過去10年の新潟記念 3着以内馬の共通点,ⒸSPAIA
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カギは「血統」と「馬体重」

近年の新潟記念には大きく2つのトレンドがある。昨年までのハンデ戦から別定戦に変わるものの、どちらも影響を受けるとは思えないファクター。したがって大いに頼りにできる。

まず一つ目は血統だ。実は新潟記念は「キングカメハメハ記念」と別称を付けたくなるほど、血統の寡占化が進んでいるのだ。

近10年を対象に見てみよう。父キングカメハメハ系は【3-2-1-12】の勝率16.7%、複勝率33.3%で、母の父キングカメハメハ系(全て母の父キングカメハメハ)に関しては【3-2-1-5】の勝率27.3%、複勝率54.5%をマーク。この2つを合わせると【6-4-2-17】勝率20.7%、複勝率41.4%で、回収率は単勝が227%、複勝が142%だから“迷わず買い”といえるレベルになる。

そして中身も素晴らしい。実は18年から目下7年連続で、少なくとも1頭が馬券に絡んでいる。さらに19年、20年、22年、23年とワンツーフィニッシュが4回。24年も該当2頭でシンリョクカ(8番人気)が1着、キングズパレス(1番人気)が3着だから、近年は驚異的な成績といえる。

ここで比較対象として、同期間の新潟記念における他系統の成績も見ておこう。例えば父ディープインパクト系は【3-3-2-47】勝率5.5%、複勝率は14.5%で、父ロベルト系も【1-0-2-13】勝率6.3%、複勝率18.8%となっており、ともにキングカメハメハ系には遠く及ばない。やはり新潟記念は“キンカメ記念”なのだ。

そしてもう一つの注目すべきトレンドは、馬体重に関するもの。結論から言うと圧倒的に大型馬が優勢で、当日520kg以上の馬は【3-0-2-7】勝率25.0%、複勝率41.7%の好成績。23年に10番人気のインプレスが3着に突っ込んだシーンは記憶に新しいが、実は524kgの巨漢馬だった。

対照的に478kg以下の馬は【2-3-5-58】勝率2.9%、複勝率14.7%と低調。とりわけ人気馬は不振で、5番人気以内に限ると【0-2-3-14】だから、買っても押さえまでとしたい。


キングカメハメハの血を持つ馬は4頭

では、今年のメンバーを見ていこう。父or母の父がキングカメハメハ系の馬は、以下の通り。

・アスクカムオンモア(前走496kg)
・エネルジコ(前走456kg)
・シンリョクカ(前走464kg)
・ブレイディヴェーグ(前走470kg)

ここでは、素直に前走馬体重の最も重たいアスクカムオンモアを本命としたい。

戦歴を見ると左回りで【4-1-2-0】、右回りは【0-1-0-3】という典型的なサウスポー。これまで重賞ではセントライト記念が6着、菊花賞が17着と結果を残せていないが、ともに右回りだったので参考外でいい。前走・府中ステークス(3勝クラス/東京芝2000m)では、重賞で善戦経験のあるメリオーレムに完勝。目下の充実ぶりなら重賞でも好勝負になるはずだ。

馬券はアスクカムオンモアの単勝が本線。相手はエネルジコ、シンリョクカ、ブレイディヴェーグに、非キングカメハメハ系ながら前走の馬体重が536kgだったクイーンズウォークを加えた4頭を指名する。馬連と3連複の流しで好配当ゲットといきたい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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