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【京王杯SC】10戦6勝の高松宮記念組が中心 前走負けて強しトウシンマカオが巻き返す

2025 4/29 17:00貴シンジ
京王杯SC 前走高松宮記念組の成績(過去10年),ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は5月3日に東京競馬場で行われる京王杯SCについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった13頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:高松宮記念組が優秀、前走GⅢなら惜敗馬に注目

前走レース別成績,ⒸSPAIA


京王杯SCは東京芝1400mという条件で施行されるため、スプリンターとマイラーが混在するレースとなる。そんな京王杯SCで有効なデータが前走レース別成績だ。まず全ての成績において優秀なのが高松宮記念組。【6-3-3-18】で単勝回収率98%、複勝回収率98%。高松宮記念で大敗した馬も勝利しているので、積極的に狙っていきたい。

続いてはGⅢのダービー卿CTと東京新聞杯組。ダービー卿CTが【2-2-2-25】で単勝回収率31%、複勝回収率69%。東京新聞杯が【1-1-1-1】で単勝回収率90%、複勝回収率140%。今年は東京新聞杯からの臨戦はないが、ダービー卿CTからここに向かってくる馬はアサカラキング、ロジリオンの2頭がいる。

前述の2レースには共通の好走データがある。それは「前走で負けている場合着差が0.5秒以内だった」ということ。この条件に当てはまる馬は【3-1-2-16】。勝ち馬は前走負けていたとしても0.5秒以内の惜敗にまとめているのだ。アサカラキングは0.7秒差だったがロジリオンは0.4秒差だった。

最後に洛陽S組。こちらは18年のムーンクエイク1頭しか該当馬がおらず、そのムーンクエイクが勝利している。今年も前走洛陽S組はいないのでひとまず気にする必要はないだろう。今年は高松宮記念組に注目するのが勝ち馬を当てる近道となりそうだ。

【前走高松宮記念の出走予定馬】
・カンチェンジュンガ
・スズハローム
・トウシンマカオ
・トゥラヴェスーラ
・バルサムノート
・ママコチャ

前走内容:高松宮記念

今年の高松宮記念は前半3Fが33.8秒、後半3Fが34.1秒で前傾0.3秒。GⅠということを考えれば地力勝負になった。今年は3着のママコチャ、4着のトウシンマカオ、10着のカンチェンジュンガ、11着のトゥラヴェスーラ、12着のバルサムノート、17着のスズハロームの6頭が出走を予定している。

注目したいのは上位2頭のママコチャとトウシンマカオ。着順こそトウシンマカオの方が低いが、内容を考えれば同等以上の評価ができる。最後の直線ではサトノレーヴとママコチャに挟まれるポジション取りとなってしまい、追い出しが少し遅れた。ラスト100mではママコチャにどんどん詰め寄っており、決して地力で負けたわけではない。

血統解説:トウシンマカオ

トウシンマカオの血統表,ⒸSPAIA


・トウシンマカオ
日本での牝祖は祖母サスペンスクイーン。ただこの一族は4代母Rose Bowlを牝祖とした別の枝も日本で走っていて、17年小倉記念、新潟記念勝ちのタツゴウゲキなども近親にあたる。

母ユキノマーメイドは現役時芝中距離で4勝を挙げた実績馬だ。繁殖としても20年マイラーズC2着のベステンダンクを輩出するなど、8頭の勝ち上がり馬を出していてアベレージが高く優秀。今回のメンバーでも活力はトップレベルだ。

トウシンマカオ自身はビッグアーサー×スペシャルウィークという組み合わせだが、古馬になるにつれてビッグアーサーらしい硬さとスピードが出てきた印象だ。前からでも後ろからでも自在の競馬ができるのがこの馬の強みで、前走も折り合えていたから久々の1400mでも問題ないだろう。

Cアナライズはトウシンマカオを推奨

今回のCアナライズではトウシンマカオを推奨する。前走はママコチャの後塵を拝す形で4着となってしまったが、実力で負けたわけではなく紙一重の展開だった。当然ママコチャは今回も有力な一頭となるが、地力面や適性面を考えればトウシンマカオの方が上と見る。トウシンマカオの方が人気がないのであればこちらから入ってみたい。

《ライタープロフィール》
貴 シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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