逃げ、先行馬が有利の舞台
大阪杯の舞台となる阪神芝2000mは、最初のコーナー(1角)までの距離が約352mと短く、スタート直後に上り坂もあるため、ペースが上がりにくい。そのうえA→Bコース使用2日目で馬場の悪化した内側がカバーされることもあり、GⅠ昇格後の過去8年で逃げ、先行馬が6勝と活躍している。
また逃げ馬の3着以内が3回に対し、追い込み馬の3着以内は2018年1着のスワーヴリチャードのみ。ただ同馬は結局マクって3角では先頭だった。
大阪杯の舞台となる阪神芝2000mは、最初のコーナー(1角)までの距離が約352mと短く、スタート直後に上り坂もあるため、ペースが上がりにくい。そのうえA→Bコース使用2日目で馬場の悪化した内側がカバーされることもあり、GⅠ昇格後の過去8年で逃げ、先行馬が6勝と活躍している。
また逃げ馬の3着以内が3回に対し、追い込み馬の3着以内は2018年1着のスワーヴリチャードのみ。ただ同馬は結局マクって3角では先頭だった。
【能力値1位 ロードデルレイ】
3走前のアンドロメダSと2走前の中日新聞杯はデシエルトに完敗だったが、前走の日経新春杯では初重賞制覇を達成。その前走では8番枠から五分のスタートを切り、様子をうかがいながら中団中目を追走した。向正面ではメイショウタバルがぶっ飛ばしていくかなりのハイペースを中団内目でコントロールしながら進めて3角に入った。
3~4角で2列目以降がメイショウタバルを追い駆けていく中で、4角で好位の中目のスペースを押し上げ、一気に2番手に上がって直線へ。直線序盤で3馬身ほどあったメイショウタバルとの差を一気に詰めて先頭に立ち、2馬身ほど差を広げ、ラスト1Fでさらに差を広げて3馬身差で完勝した。
ここは前後半5F57秒7-60秒9の激流。1~4角のロスが小さく、展開も向いたが、早めに前を捉えに行ってラスト1Fで後続を全く寄せ付けなかったことは評価できる。
ただし、今回は出走馬の過去5走でトップタイの自己最高指数を記録した後の一戦。前走の疲れで指数ダウンする可能性が高いが、それでも2、3走前くらい走れれば、2、3着はありそうだ。
【能力値2位 シックスペンス】
休養を挟んで2走前の毎日王冠と前走の中山記念を連勝。2走前は11番枠からまずまずのスタートを切り、様子をうかがいながらじわっと先行した。ペースが遅かったので、無理なく2列目の外付近を取る。道中もゆったりと流れていたが、しっかりとコントロールして前のエルトンバローズとのスペースを作り、4番手で3角へ。
3~4角でもエルトンバローズをマークし、4角出口でスペースを潰して同馬の直後から直線へ。直線序盤で追われても反応はひと息で外からヨーホーレイクに並ばれた。しかし、ラスト2Fで鞭が入ると、ヨーホーレイクに抵抗してしぶとく伸び、ゴール直前で先頭のホウオウビスケッツを捉えてクビ差で勝利した。
ここは超高速馬場で前後半4F47秒5-45秒7のかなりのスローペース。前に有利な展開に恵まれての勝利だった。
前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、行きっぷり良く先行して2列目の最内で進めていたが、やや掛かったのでコントロールして3列目の内に下げた。道中は淡々とした流れを前にスペースを作って中団で3角に入った。
3~4角でも最内を通り、4角でスペースを潰して3列目まで上がって直線へ。直線序盤で早めに仕掛けたエコロヴァルツの後ろを取って2列目に上がり、ラスト1Fで抜け出した同馬をハナ差で差し切った。
前走は昨年12月以来のAコースに替わり、超高速馬場で前後半4F47秒0-46秒3のややスローペース。ここでは3~4角で最内を通ったことと、直線での進路確保がスムーズだったことが好走に繋がり、自己最高指数を記録した。キャリアの浅い4歳馬で、ここへ来て成長力を見せているのは確かだが、休養明けで好走後のここは評価を下げたい。
【能力値3位タイ デシエルト】
3走前にダートから芝路線に転向して本格化。3走前アンドロメダSは6番枠からまずまずのスタートを切り、押して二の脚で楽にハナを取り切った。そこからはコントロールして折り合い重視で進めていたが、それでも後続と差を広げて3角に入った。
3角下りではペースを上げて大逃げの形。後続が追い上げてくるものの、4角で仕掛けリードを維持して5馬身差で直線へ。直線序盤でもその差を維持し、ラスト1Fではロードデルレイに差を詰められたが、3馬身半差で圧勝した。
2走前の中日新聞杯は8番枠から五分のスタートを切り、押して内のタマモブラックタイのハナを叩き、内に切れ込んでペースを引き上げた。1~2角で鞍上がペースを落とそうとしたが抑えきれず。向正面では少し掛かりながらペースを引き上げ、やや差を広げて1馬身半差のリードで3角を迎えた。
3角で少し我慢して3~4角で徐々に差を広げ、4角で促して2馬身半差のリードを保って直線へ。直線序盤で追われてリードを広げ2馬身半差。ラスト1Fで追ってくる各馬を問題とせず、2馬身差で完勝した。
3走前はロードデルレイに3馬身半差、2走前は同馬に2馬身差まで詰め寄られているが、これはペースによるものが大きい。2走前はハイペースだった。また前走の金鯱賞では4着に敗れているが、かなり掛かってぶっ飛ばしてしまったことが敗因だった。
しかし、かなりタフな馬場で前後半5F58秒2-63秒1の絶望的なハイペースの大逃げを打ちながらも、展開に恵まれたクイーンズウォークと2馬身半差だったのは地力があればこそ。今回は折り合いに定評のある池添謙一騎手に乗り替わり、巻き返しに期待が高まる。今回の本命候補だ。
【能力値3位タイ エコロヴァルツ】
休養を挟んで2走前のディセンバーSを勝利し、前走の中山記念で2着。2走前は2番枠から好スタートを切り、促して2列目の最内を追走した。道中では前2頭がやや差を広げる中で、離れた3列目の最内で進めた。
3角手前で後続が上がってくると、じわっと仕掛けて上手く最内から前と差を詰めて、4角で前2頭の外に出た。直線序盤で並ぶ間もなく前をかわして3/4差ほど前に出る。ラスト1Fでそのまましぶとく踏ん張り、ジューンオレンジの追撃を1馬身1/4差で振り切った。
前走は4番枠から好スタートを切り、ハナを主張したが、1~2角でメイショウチタンがハナを主張すると、同馬を行かせて2列目の最内を追走。道中は淡々と逃げるメイショウチタンの後ろにスペースを作って3番手で進めた。
3~4角でも仕掛けを待って3列目の最内。4角で仕掛けて前2頭の外に出て2列目で直線へ。直線序盤で2馬身ほどあったメイショウチタンとの差を半馬身差まで詰め、ラスト1Fで同馬をかわして抜け出したところを外からシックスペンスに差されてハナ差で惜敗した。
2走前は前後半4F47秒5-46秒4のややスローペース。前走も昨年12月以来のAコースに替わり、超高速馬場で前後半4F47秒0-46秒3のややスローペースだった。どちらも上手く好位の内目をロスなく立ち回れており、前走では自己最高指数を記録。今回は休養明け好走後の疲れ残りの一戦で、外枠となると不安が残る。
【能力値5位タイ ヨーホーレイク】
2022年の日経新春杯で初重賞制覇を達成した馬。同レースでは10番枠から出遅れて、内にササって接触した。後方からの追走となったが、挽回して中団馬群の中目を追走。道中はフライライクバードをマークしていたが、同馬が前に進出して行ったため、途中でやめて中団外目で3角に入った。
3~4角では外のスペースを拾ってステラヴェローチェの後ろまで押し上げて直線へ。直線序盤でしぶとく伸びて一気にステラヴェローチェに並びかけ、ラスト1Fでマッチレースに。最後に同馬を競り落として3/4馬身差で勝利した。
ここでは3~4角で外を回るロスを作りながらも、3着馬には3馬身3/4差をつけ、GⅠでも通用する指数を記録。とても強い内容だった。
しかし、その後に屈腱炎を発症。2年2カ月もの長期休養を余儀なくされ、復帰3戦目の昨年の鳴尾記念で見事な復活を果たすと、前走の京都記念でも勝利した。
前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、促していたがあまり進まずに好位の直後の最内を追走。道中も好位のリビアングラスの後ろで我慢した。
3角の下りでペースアップすると、ひとつ外のスペースを拾って4角で前のセイウンハーデスの内を取って2列目で直線へ。直線序盤ですっと伸びて先頭列に並びかけ、ラスト1Fでしぶとく抜け出し3/4馬身差で勝利した。
前走は雨や雪の影響でタフな馬場ではあったが、前後半5F62秒9-59秒7のスローペース。1番枠を利して1~4角まで内目をロスなく立ち回れたことが好走に繋がった。
本馬は超高速馬場の鳴尾記念とタフな馬場の前走の京都記念を勝利しているように馬場不問。芝2000m以上では安定して走れているだけにここも警戒したい。
【能力値5位タイ ホウオウビスケッツ】
昨夏の函館記念で初重賞制覇を達成。同レースは12番枠から五分のスタートだったが、二の脚で楽に逃げ馬アウスヴァールの外2番手に取り付いた。1~2角では手綱を抑えてコントロールし、道中は同馬から2馬身半ほど離れた2番手を追走した。
3角ではアウスヴァールと3馬身差だったが、3~4角で徐々に差を詰めながら外に誘導し、4角で一気に並びかけた。直線序盤で抜け出すと、ラスト1Fで突き抜けて3馬身半差で圧勝した。
この函館記念は前後半5F59秒6-59秒6の平均ペース。一つ前の巴賞を逃げ切り勝ちした後の一戦から控えたことでやや掛かってはいたが、道中で逃げ馬から離れた単独2番手になったことで折り合いもつき、自己最高指数を記録した。
また3着アウスヴァールと4着サヴォーナが後にオールカマーで2着、4着と善戦したように意外とハイレベルな一戦で、ここでは今回の出走馬の過去5走でトップタイの指数を記録している。
本馬は休養明けの前走、金鯱賞でも2着に健闘。大逃げするデシエルトから大きく離れた2番手で我慢させていたが、向正面で同馬を捉えにいって、3~4角で仕掛けて5馬身差で直線へ。ラスト1Fでデシエルトを捉えたが、最後に外からクイーンズウォークに強襲され、ハナ差で惜敗した。
前走はかなりタフな馬場の激流を早めに動いており、デシエルトに次ぐ好内容だった。しかし、消耗戦を好走したダメージは大きいようで、この中間、楽をさせた影響で調教後の馬体重は24kg増と太目。ここは評価を下げたい。
ベラジオオペラは昨年の大阪杯の覇者。同レースでは11番枠から五分のスタートを切り、ハナを主張したスタニングローズの外2番手で折り合った。道中はスローペースだったが、上手く2番手で進め、3角手前で外からローシャムパークが上がってくると、同馬に抵抗して仕掛ける。
4角ではローシャムパークの前に出て、2番手で直線へ。序盤でスタニングローズを捉えて半馬身ほど前に出ると、ラスト1Fで外からしぶとく食らいつくローシャムパークをクビ差で振り切って勝利した。
昨年の大阪杯は前後半5F60秒2-58秒0のかなりのスローペース。前有利の展開に恵まれ、自己最高指数を記録しての勝利だった。
本馬はその後、天皇賞(秋)こそ夏負けで調整が遅れた影響で6着に敗れているが、宝塚記念と有馬記念では3着、4着に善戦。宝塚記念でも3番枠からトップスタートを切り、外からハナを主張したルージュエヴァイユらを行かせ、馬場の良い2列目の外を追走して3着だった。有馬記念も5番枠から好スタートを切り、内のダノンデサイルを行かせ、その外2番手を追走しての4着だった。
今回は昨年の大阪杯よりも相手が手強いが、5番枠と内目の枠にも恵まれ、2列目の最内が狙える組み合わせ。折り合いに不安はなく、昨年の宝塚記念では道悪の芝2200mもこなせているだけに、対抗に推したい。
ラヴェルはデビュー2戦目のアルテミスSでは後方から3~4角でリバティアイランドに蓋をしながら先に動き、同馬を完封した素質馬。その後、長期間不振だったが、昨秋のエリザベス女王杯で2着に入り、2走前のチャレンジCで重賞2勝目を挙げ、完全復活を遂げた。
2走前は9番枠から出遅れて外を狙った。しかし、外に出し切るのが難しく、中団中目のスペースを軽く促して拾う形。道中もマイネルモーントの後ろの中団中目を走り、3角手前で同馬の内から押し上げ3角を迎えた。
3~4角では好位の中目のスペースを拾い、4角でセイウンハーデスの後ろから2列目まで押し上げ直線で外に出た。直線序盤で追われるとすっと抜け出して1馬身差。ラスト1Fでディープモンスターらに迫られたが、問題とせず1馬身3/4差で完勝した。
2走前は前後半5F58秒4-59秒8と緩みなく流れたが、出遅れを挽回して中団まで位置を上げ、早め先頭に立っての勝利ととても強い内容だった。
スタミナが不足しがちな前走の金鯱賞は、かなりタフな馬場の激流で息切れし、末脚不発の9着だったが、叩かれての今回は変わり身が期待できる。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ロードデルレイの前走指数「-26」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.6秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値 =(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補
《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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