ダート路線の主役候補へ
11月9日(土)の京都4Rに組まれていたダート1800mの新馬戦は、坂井瑠星騎手騎乗のサンダースノー産駒ナルカミが勝利。来年の3歳ダート路線で主役になれそうな予感さえ漂う圧巻のレースを披露した。
ややバランスを崩し気味ながらも好スタートを切ると、そのままトモジャシックとの先行争いを制してハナを奪う。1角の400m通過地点から3角手前の1000m通過地点までのラップは12.8-13.1-12.7と際立ってハイペースというわけでもなく、1000m通過1:02.6。先行集団は一団となる展開だった。
その後、2番手以下は4角で鞍上の手が動き始めたのに対して、ナルカミは楽な手応えで、直線に向くと後続を引き離しての独走状態。上がり36.3(11.8-12.1-12.4)は上がり2位の馬を1.8秒上回り、2着プリンセッサを2.0秒ちぎっての大差勝ちを果たした。
勝ちタイム1:51.2は、2017年のもちの木賞でビッグスモーキーが記録した2歳レコードと0.2秒差。そのレコードは重馬場でのものであり、今回はゴール前含水率4.0%という良馬場だった。良馬場発表ながら時計が出やすいコンディションであったことは否めないが、同日2Rの2歳未勝利戦より4.4秒、6Rの3歳以上1勝クラスより0.4秒速く、翌日の10Rに組まれていたラッキーライラックC(3勝クラス)と同タイムという点からも新馬戦としては破格と言っていい。
2着のプリンセッサも3着ミライヘノカギにはさらに1.0秒差(6馬身)をつけており、こちらも通常であれば好タイムで勝利できているレベルだろう。
本馬の父サンダースノーは現役時代にドバイワールドCを連覇、芝でもクリテリウムアンテルナシオナルとジャンプラ賞を勝利。引退後は日本で種牡馬入りし、初年度産駒のテンカジョウがJpnⅢのマリーンCを制している。
ナルカミはダーレー・ジャパンの生産で、馬主はゴドルフィン。来春はUAEダービーなど海外挑戦の可能性も十分考えられそうだが、国内の3歳ダートクラシックを目指す場合でも注目を集める存在となりそう。まずは次走もしっかりと結果を残すことが重要ではあるが、どこまで大きく羽ばたいていくのか楽しみだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)