西川、杉本、頓宮のクリーンアップが絶好調
オープン戦最下位だったオリックスが開幕ダッシュに成功した。13日の楽天戦(楽天モバイル)は前回完封勝利を挙げた古謝樹を攻略して3連勝。14試合を消化して10勝3敗1分けの貯金7まで増やし、パ・リーグ首位を快走している。
好調の要因のひとつが活発な打線だ。開幕前の予想はBクラスが多く、その根拠として挙げられていたのが「投手陣は良いが、得点力に不安がある」というもの。5位に終わった2024年はリーグ2位のチーム防御率2.82ながら、打線はいずれも同5位のチーム打率.238、402得点と打線が足を引っ張る格好だっただけに仕方ないだろう。
今春オープン戦でも12球団中11位の37得点だったが、いざシーズンが始まると別人のように打ち始めた。12日の楽天戦で2本塁打を放った4番・杉本裕太郎は打率.378、4本塁打、8打点。さらに5番・頓宮裕真は打率.388、5本塁打、12打点、3番・西川龍馬も打率.357とクリーンアップが目を見張る数字を叩き出している。
加えて2番で起用されている2018年ドラフト1位の太田椋が打率.397、2019年ドラフト2位の紅林弘太郎も打率.343と高打率をキープ。右脇腹を痛めて離脱した森友哉を欠いているにもかかわらず、国産打線が12球団断トツのチーム打率.309をマークしているのだ。
2020年以降、オープン戦最下位の3チームがシーズンで優勝
昨季優勝したソフトバンクが607得点と爆発したこともあり、その約3分の2に終わったオリックス打線の弱さが浮き彫りになったが、3連覇した2023年はリーグトップのチーム打率.250、同3位の508得点を記録。元々は貧打のチームだったわけではない。
杉本は2021年の本塁打王、頓宮は2023年の首位打者、西川は広島時代の2023年にベストナインに輝いたFA戦士と実績のある選手が揃っているところに太田や紅林ら若手が融合。ドラフト1位ルーキーの麦谷祐介も出場機会は少ないながらも攻守で存在感を放っている。
大エース山本由伸が抜けた投手陣もFAで九里亜蓮を獲得したこともあって安定。リーグトップのチーム防御率2.49を誇っており、勝つべくして勝っていると言える。
昨季の5位転落のインパクトが大きかったため評価を下げたが、能力の高い個々の選手が本来の実力を発揮すれば、現在の成績も驚くほどのことではないだろう。
開幕で出遅れたソフトバンクは勝率5割に復帰したとはいえ、近藤健介、栗原陵矢に続いて柳田悠岐もケガで戦線離脱。優勝候補筆頭がもたつく間に好調オリックスがどこまで走るか、今後のパ・リーグのポイントとなりそうだ。
2020年以降、オープン戦最下位チームはその年のシーズンで3チームが優勝、2チームが2位と好成績を残している。歴史は繰り返されるのか、今後の熱い戦いからますます目が離せない。
【関連リンク】
・歴代オープン戦最下位チームのシーズン成績 V奪回狙うオリックスに吉兆か凶兆か
・オリックス平野佳寿がNPB通算250セーブ達成!700試合登板と1000奪三振も王手
・【オリックス】2025年の年俸ランキング 森友哉が4億円で1位、アップ額トップの西川龍馬が2位