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日本人投手のメジャー通算勝利ランキング 野茂に迫るダルビッシュ、菊池雄星は10位浮上

2024 10/3 11:35SPAIA編集部
パドレスのダルビッシュ有,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日米通算200勝を達成したダルビッシュはMLB110勝

メジャーリーグの2024年レギュラーシーズンが終了した。ドジャースの大谷翔平が史上初の「50本塁打50盗塁」を達成して日米の注目を集めたが、日本人投手の活躍も目立ったシーズンだった。

パドレスのダルビッシュ有は7勝(3敗)を挙げ、日米通算200勝を達成。DeNAからカブスに移籍した今永昇太はいきなり15勝をマークした。今季終了時点の日本選手のメジャー通算勝利ランキングを紹介しよう。

日本人投手のメジャー通算勝利ランキング


野茂英雄が1995年にメジャー挑戦して以来、これまで多くの投手が海を渡ったが、MLBで100勝を挙げたのは野茂とダルビッシュの2人だけだ。野茂は近鉄で5シーズンしか経験せず26歳という若さで移籍したこともあり、2008年の引退まで14年間をアメリカで過ごして123勝を挙げた。今後、野茂を超える成績を残す投手は簡単には現れないだろう。

その可能性があるとすればダルビッシュが最も近い位置にいる。日本人メジャーリーガー歴代2位の通算110勝。日本での93勝と合わせて日米通算200勝を達成した。野茂の通算201勝を上回り、日米通算203勝で黒田博樹と並んでいる。早ければ2025年にもMLBのみの勝利数で日本人単独トップに躍り出るかもしれない。

現役メジャーリーガーでは前田健太が68勝で2位

ランキング上位に並ぶ投手は日本で100勝以上を挙げた投手が多い。MLB通算79勝の黒田博樹は33歳になる2008年にFAでドジャース移籍。ヤンキースを退団するまで7シーズンで通算79勝79敗の成績を残した。

田中将大は楽天でシーズン無敗の24連勝という驚異的な成績を置き土産に、2014年からヤンキースのピンストライプのユニフォームに袖を通した。2020年に退団するまで6年連続2桁勝利を含む通算78勝46敗の成績を残している。日米通算197勝を挙げており、2025年の200勝達成が期待される。

現役メジャーリーガーでダルビッシュに次ぐのは前田健太。広島からポスティングシステムでドジャース入りし、ツインズ移籍後の2021年にトミー・ジョン手術を受けたが、タイガースに移籍した2024年は3勝7敗の成績でMLB通算68勝としている。

岩隈久志は楽天からFAでマリナーズに移籍し、3度の2桁勝利をマークするなど歴代6位のメジャー通算63勝。巨人では一度も一軍登板できないまま、2020年に引退した。

松坂大輔は2007年にポスティングシステムでレッドソックスに移籍し、いきなり15勝をマーク。翌2008年も18勝を挙げたが、以降はケガに苦しみ、メジャー8年で通算56勝だった。輝かしい実績を残してきた「平成の怪物」も日米通算200勝に到達することなくユニフォームを脱いだ。

大谷翔平は12位、今永昇太が20位にランクイン

歴代8位のメジャー通算51勝を挙げた大家友和は、上位にランキングされる投手の中では日本での実績が最も乏しい。京都成章高から1993年ドラフト3位で入団した横浜では1勝を挙げただけだったが、1999年にレッドソックスとマイナー契約。そこからMLB5球団を渡り歩いて通算51勝をマークした。2010年には横浜に復帰して7勝を挙げている。

オリックス時代に先発として活躍した長谷川滋利は、毎年のように契約更改交渉の席でメジャー挑戦希望を訴え、1997年に念願叶って金銭トレードでエンゼルスに移籍。まだポスティングシステムのない時代だった。マリナーズに移籍後の2005年に引退するまで、日本人最多のメジャー通算517試合に登板し、45勝44敗33セーブ83ホールドの成績を残した。

10位には菊池雄星が浮上した。2024年はブルージェイズで4勝、シーズン中にアストロズに移籍して5勝を挙げ、計9勝10敗。MLB通算41勝とし、左腕として唯一ベスト10入りしている。

11位は石井一久。ドジャースとメッツで4シーズンを過ごし、通算39勝34敗。日米通算では182勝を挙げた。

ドジャースの大谷翔平は2024年は打者に専念。エンゼルス時代に挙げた通算38勝で12位となっている。34勝の伊良部秀輝、32勝の吉井理人、22勝の上原浩治、21勝の斎藤隆と田澤純一、17勝の岡島秀樹、16勝のマック鈴木と続いている。

そして、14勝の高橋尚成を1年で抜き去って20位にランクインしたのが今永昇太。ホップすると言われるストレートを武器に1年目から15勝3敗、防御率2.91の好成績をマークした。

2025年は大谷も投手としてマウンドに上がる見込み。毎年ファンの期待を上回るスーパースターは、次はどんなサプライズを見せてくれるのだろうか。2025年は日本人投手のさらなる活躍が期待される。

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